専門医でも発達障害を治すことはできない
自閉スペクトラムやADHDなどといった大人の発達障害において、医師は根本的な解決をすることができません。「大人の発達障害」と呼ばれる所以は、大人(社会人)になってから社会生活を送ることに困難を生じるためであり、「障害」と呼ばれるのは、「職場で要求される能力」と「当事者のもっている能力」の乖離によって、職場から与えられた担務を本人が果たすことができないからです。仕事を問題なくこなせていれば、自閉的な特性が強くても「障害」になりえないのです。
つまり、人の能力や特性は変えることのできない個体差であり、それが「障害」かどうかは、環境が左右するところも大きいのです。「個人の特性」と「職場の環境」、両方とも医師には変えることができません。よって、発達障害を治すことは専門医でも不可能なのです。
そもそも人間の特性は生まれたときから決まっている
背の低い成人が、努力で身長を伸ばそうとしても変わることはないです。背が高い人だって特別な努力や訓練を行ってそうなった訳でもないはずです。また、理系科目が得意な人もいれば、文系科目が得意な人もいます。体育が得意な人もいれば音楽が得意な人もいます。平等に同じ時間学校で授業を受けていたとしても、得意科目には個人差が出るものです。
これらの例と同じく、自閉的特性が強い人もいれば弱い人もいます。それを努力によって変えることはできません。
医師や心理士にできることは、社会適応に向けた精神状態の改善
- 投薬やカウンセリングによる精神状態の改善
- 休職等の診断書による職場への指示
- 発達障害の診断
この3つが医師の主な役割となります。それ以上を求めることはできないでしょう。例えば、職場の人間関係を解決したり、業務内容を調整したりすることは、医師には不可能です。そういった問題には、職場側と本人の協力から改善していくしかないのです。
医療機関を活用して、社会適応を目指そう
体調を崩したならば、仕事を休むために医師を頼りましょう。夜も眠れない状態が続いていたり、涙が止まらないなどといった身体的な症状が出ていれば、医師は休職の診断書を書いてくれるでしょう。それ以上のことは、自分で解決するしかありません。自分を助けることができるのは、自分だけです。医師に自分の人生を任せきりにするのではなく、一時的に心身を休めるために医療機関を活用するのです。おすすめの医療機関については、別の記事に詳しくまとめましたので参考にしてみてください。
まとめ
- 自分の社会適応まで医師が面倒を見ることはできない
- 医療機関は、心身を一時的に休めるために活用しよう



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