プログラミング「自体」には適性がある可能性が高い
下記の要素から、自閉的特性の強い人にとってコードを書くこと自体の適性は高いと言えます。
- コードを書く作業自体にマルチタスクが要求されにくいこと
- 論理的思考力が必要とされ、狭い範囲に意識を集中させる作業であること
- プログラミングと『自閉』には高い関連性をもつこと
1について…例えば、飲食店での接客をイメージしてみてください。調理師が料理を完成させれば、お客さんのもとへ運ばなければなりませんし、別のお客さんに呼ばれれば注文を受けに行かなければなりません。注文を受けている最中にも新しいお客さんが来店したら、どの席に案内するかを考えながらなど、平行して複数の人に対して意識を向けなければなりません。しかしプログラミングは、そういった同時に複数のことへ意識を向けることが少ない作業です。あるソフトウェアのコードを書いている最中に、別のソフトウェアのプログラムも平行してコーディングするのは非効率です。複数のソフトやwebページを作成したければ、片方を完成させてから、もう片方のソフトを作成します。よって、プログラミングは自閉的特性の強い人が苦手とする「マルチタスク」が生じにくいと言えます。
2について…論理的思考力が必要とされる将棋や囲碁のプロ棋士を想像してみてください。プロの対局は一日中、何時間もひたすら盤上に集中し続けます。今後の対局スケジュールや、対局イベントの運営など、他のことに意識を向ける必要はなく盤上のみに集中します。盤上という狭い範囲に意識を集中させるだけでよいのです。このように、論理的思考によって集中する必要があるため、アスペルガー症候群の特性がある人でも、将棋や囲碁をすることには適性が高いと考えられます。プログラミングも同じく論理的思考を伴う集中力が必要な作業となります。コンピューターの画面上に集中する必要があるため、狭い範囲に意識を集中させる作業であるといえます。よって自閉的な特性が強い人は、プログラミングは向いていると言えます。
3について…「プログラミング的思考」と「自閉的思考」にはとても高い関連性があると感じます。詳しい解説は、別の記事で用意していますので、下記を参考にしてください。
実際にプログラミングをやってみると適性がはっきりする
『42東京』というプログラミングスクールの入学試験を受けてみることをおすすめします!42とは、学費無料のエンジニア養成機関です。入学することで、一緒にプログラムを学びあう仲間ができるので、学習のモチベーション維持におすすめです。試験は一次試験と二次試験の二度に分かれて行われます。合格率は低いですが、このスクールの試験を突破できないようではプログラミングに向いているとは言えないと思います。42東京については、詳しい記事を別に作成していますので、参考にしてみてください。
プログラミングが得意でも、エンジニアとして適性がないことがある
プログラムを書くことは、ITエンジニアの仕事の一部でしかありません。つまり、事務員でいうパソコン操作や電話応対のようなものです。
事務員の目的は、限られた時間の中で担当業務を管理して、仕事を回していくことです。パソコン操作や電話応対というのは、そのための手段でしかなく、事務仕事のほんの一部分なのです。事務員が「電話応対できます!」と主張したところで、そんなことできて当たり前なので評価されることはないでしょう。テレフォンオペレーターではないため、通話すること自体に対してお給料を貰っているわけではありません。担当業務を滞りなく回して、業務全体を管理することに対してお給料を貰っているのです。
ITエンジニアも一緒です。エンジニアの目的は、便利なツールを開発して、顧客等へ提供することです。プログラミングは、そのための手段でしかなく、開発業務のほんの一部分なのです。「コードが書けます!」と主張したところで、そんなのエンジニアならできて当たり前で評価されることはないのです。コードを書くこと自体にお給料を払ってもらえるのではなく、便利なソフトウェア等を開発することに対してお給料を貰っているのです。
コーディングだけではなく、設計したり、顧客と打ち合わせをしたり、チームリーダーとして大規模なソフト開発を進めたりと、上流工程の業務はマルチプレイヤーが求められるでしょう。そういった仕事になると、マルチタスクを不得意とする自閉的特性が強い人ほど、適性が合わなくなるはずです。
「下流工程」の業務を主とするならば、アスペルガーでも適性はある
アスペルガーの傾向がある人は、業務の範囲が狭く、コミュニケーションをする(周囲や他者に意識を向ける)頻度が少ない仕事に適性が高いと言えます。そういう意味で、設計やコーディングには適性が高いと考えてよいでしょう。そういう仕事を専門でできる会社へ就職するとよいと思います。ただし、上流工程を主な担当とするエンジニアと比べると、収入は低くなりがちだと思います。そこは注意が必要だと思います。
自社開発企業や元請けとなるSIer、一般企業の社内SEなどは上流工程の業務が多く占めるため、適性が低いと考えらます。下請けとなるSIerや、SESといった形態でのプログラマーは適性が高いかもしれません。(一流企業に就職できるほど技術力が高ければ、下流工程の専門職としてもやっていけるでしょうが、高学歴の人たちが競争相手ですので一般人にとって現実的ではないでしょう。)
就職について、20代前半ならプログラミング未経験でも就職しやすいかもしれませんが、20代半ばを超えてくると未経験では就職が難しくなってきます。また、一貫して下流工程から上流工程まで自社で開発するようなIT企業では「下流工程」は30代半ばくらいまでで卒業してもらい、徐々に生産性の高い「上流工程」の業務にキャリアアップを目指すことを求められるようです。純粋に設計やプログラミングだけを続けていると、いずれ立ち行かなくなってくるかもしれません。
「下流工程」や「上流工程」について詳しい記事を別に作成していますので、参考にしてください。
まとめ
- 自閉的傾向のある人は、プログラミング自体には適性がある可能性が高い
- プログラミングが得意でも、エンジニアとして適性がないことがある
- 設計やプログラミングといった「下流工程」を専門的にできる業務であれば適性は高い





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